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ステーブルコイン基礎

ステーブルコインとビットコインの違いをやさしく解説

ステーブルコインは値段がほぼ変わらず、ビットコインは値段が大きく上下する

ステーブルコインとビットコインは、どちらもインターネット上でやりとりできる「デジタルのお金」です。でも、性格は正反対。

ひとことで言うと、ステーブルコインは「値段が変わらないデジタルの円やドル」、ビットコインは「値段が大きく上下するデジタルの金(きん)」です。

1. ステーブルコインとは

ステーブルコインは、1枚がいつでも1円(または1ドル)の価値になるように作られたデジタルのお金です。「ステーブル」は英語で「安定した」という意味です。

「1枚=1円」が変わらないのがポイントです。

イメージは交通系ICカードのチャージに近いです。1,000円チャージすれば、1,000円分として使えます。ステーブルコインも、払った金額と同じ分だけ発行され、同じ価値で使えます。

値段が変わらない理由は、発行する会社が、受け取ったお金を銀行預金や国債(国にお金を貸した証書)として保管しているからです。これを「裏付け資産」といいます。返したいときは、いつでも1枚=1円で戻せます。

代表的なものは次のとおりです。

  • USDT・USDC … アメリカのドルと同じ価値。世界でいちばん使われていて、USDTだけで市場の約6割を占めます。
  • JPYC … 日本円と同じ価値。2025年8月に国の登録を受けた、日本初の円のステーブルコインです。
  • JPYSC … 日本円と同じ価値。2026年6月にSBI新生信託銀行が発行を始めました。

2. ビットコインとは

ビットコインは2009年に生まれた、世界で最初の暗号資産(仮想通貨)です。発行している会社や国はなく、世界中のコンピューターが協力して仕組みを動かしています。

発行できる数は全部で2,100万枚までと決まっています。金(きん)のように数に限りがあるので、「デジタルゴールド」とも呼ばれます。

値段は「買いたい人」と「売りたい人」のバランスだけで決まります。人気商品の値段が上下するのと同じで、1日で10%以上動くこともあります。


3. 一目で分かる比較

比べるポイント ステーブルコイン ビットコイン
値段 ほぼ変わらない(1枚=1円など) 大きく上下する
発行するのは 会社や銀行 いない(みんなで運営)
価値を支えるもの 預金や国債 欲しい人の多さと、数の少なさ
枚数 預けられたお金の分だけ 最大2,100万枚
主な使い方 送る・払う 持っておく・投資する
たとえると デジタルの現金 デジタルの金(きん)

4. 値段は変わる?変わらない?

1万円分を買って、1か月後にどうなるか比べてみましょう。

  • JPYC … 1万円のまま。増えも減りもしません。
  • ビットコイン … 1万2,000円になることも、8,000円になることもあります。

ステーブルコインは「お金として使う」もの、ビットコインは「値上がりを期待して持つ」ものと考えると分かりやすいです。


5. 誰が発行して、何が価値を支える?

ステーブルコインの流れはシンプルです。

  1. あなたが発行会社に1万円を払う
  2. 1万円分のステーブルコインを受け取る … 会社は、受け取った1万円を預金や国債で保管します。
  3. 返したいときは、コインと引き換えに1万円 … ステーブルコインを渡して、1万円を受け取ります。

たとえばJPYCは、発行した分の100%以上を円の預金と国債で守っています。

一方、ビットコインには発行会社も、保管されたお金もありません。価値を支えているのは、「この仕組みは信用できる」と考える人の多さと、数の少なさです。


6. 何に使う?

ステーブルコインは「送る・払う」、ビットコインは「持つ・増やす」が中心です。

ステーブルコインの使い道

  • 送金 … 24時間いつでも、少ない手数料で、数秒〜数分で相手に届きます。海外にも送れます。
  • 支払い … 買い物などに使えます。JPYCはLINEアプリからの支払い・送金にも対応しています。
  • 会社どうしの支払い … 支払いを自動化して、仕事を楽にする使い方も始まっています。

ビットコインの使い道

  • 投資 … 将来の値上がりを期待して、長く持つ使い方が中心です。

ビットコインでも支払いはできますが、値段がすぐ変わるので、毎日の買い物にはあまり向きません。


7. 日本の法律では

日本の法律では、2つはまったく別のものとして扱われています。

ステーブルコイン:「お金を送る・払う道具」

2023年6月に法律が変わり、円やドルと同じ価値のステーブルコインは「電子決済手段」、つまりお金を送ったり払ったりする道具として扱われるようになりました。発行できるのは、国の登録などを受けた銀行や会社だけです。

ビットコイン:「投資の商品」

2026年7月に新しい法律が成立し、ビットコインなどの暗号資産は、株と同じように「投資の商品」としてのルールで管理されることになりました。


8. 気をつけたいこと

ステーブルコインも「値段が変わらない」だけで、絶対に安全というわけではありません。

ステーブルコインの注意点

  • 発行会社がお金をきちんと管理していないと、1枚=1円が守られなくなるおそれがあります。
  • 自分で管理する「ウォレット」の、パスワードにあたる「秘密鍵」をなくすと、二度と取り戻せません。

ビットコインの注意点

  • 値段が大きく下がって、損をすることがあります。
  • 「必ずもうかる」という誘いは詐欺の可能性が高いです。国に登録された交換所を使いましょう。
  • もうけには税金がかかります。

9. まとめ

ステーブルコインは「デジタルの現金」、ビットコインは「デジタルの金(きん)」です。目的に合わせて使い分けましょう。

  • 早く・安くお金を送ったり払ったりしたい … ステーブルコイン
  • 値上がりを期待して長く持ちたい … ビットコイン

日本でもJPYCやJPYSCなど円のステーブルコインが登場し、身近な支払いや会社どうしの支払いで使える場面が増えています。まずは少額から、仕組みを体験してみるのがおすすめです。

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執筆者:赤松 智彦
Author

赤松 智彦

アステリア株式会社 / ステーブルコイン事業部

システム連携やデータ活用の知見から、企業の「財務DX」や「デジタル通貨のビジネス活用」をテーマに、日本円ステーブルコインの普及に向けた実務ノウハウや最新トレンドなどのお役立ち情報をお届けします。