JPYC Gateway

ガス代の暗号資産なしでJPYCを送る。JPYC Gatewayの「ガスレス送金」とは?

赤松 智彦アステリア株式会社 / ステーブルコイン事業部
ガス代の暗号資産なしでJPYCを送る。JPYC Gatewayの「ガスレス送金」とは?

ブロックチェーン上でJPYCを送金するには、通常、送金額とは別に「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が必要です。ガス代はJPYCではなく、ETHやPOLといったチェーンごとの暗号資産で支払います。

そのため、企業がJPYCで支払いを行おうとすると、JPYCに加えてガス代用の暗号資産を購入・保有し、送金のたびに残高が足りているかを確認する必要があります。暗号資産の保有を社内規定で認めていない企業や、会計処理の負担を避けたい企業にとっては、これが導入の壁になります。

JPYC Gatewayの「ガスレス送金」を使えば、送金元のウォレットにガス代用の暗号資産を用意しなくても、JPYCを送金できます。

目次10項目
  1. 01ガスレス送金とは?
  2. 02ガス代は誰が負担するのか
  3. 03ウォレットの種類ごとの送金方式
  4. 04ガスレス送金の操作の流れ
  5. 05送金識別コードで、支払いと請求をつなぐ
  6. 06送金管理画面で送金方式を確認する
  7. 07入出金履歴での表示
  8. 08料金と、件数の数え方
  9. 09署名の有効期限は5分
  10. 10ガス代の管理を、業務から外す

01ガスレス送金とは?

ガスレス送金は、送金時に利用企業側でブロックチェーンの手数料(ガス代)を支払わずにJPYCを送金できる送金方式です。

送金元のウォレットにETHやPOLなどのガス代用トークンを保有しておく必要はありません。ウォレットに必要なのは、送金するJPYCだけです。

利用企業が負担するのは、ガス代ではなく、JPYC Gatewayの送金手数料です。手数料は1件8円(税別)の定額で、送金回数に応じて月額基本料金とあわせて月ごとに請求されます。

02ガス代は誰が負担するのか

通常の送金では、送金元のウォレットがガス代を支払います。そのため、送金元にはJPYCとあわせて、ETHやPOLなどの残高が必要です。

ガスレス送金では、利用者は送金内容に署名するだけです。実際にブロックチェーンへ送信する際のガス代は、JPYC Gateway側(アステリア株式会社のウォレット)が負担します。

ガス代はネットワークの混雑状況によって変動しますが、ガスレス送金なら利用企業がその変動を気にする必要はありません。手数料は送金1件ごとの定額なので、コストの見通しも立てやすくなります。

ガス代を「誰が」用意するか。通常送金では送金元がETH/POLでガス代を支払い、ガスレス送金では送金元はJPYCだけでGateway側がガス代を負担する比較図
ガス代を「誰が」用意するか。通常送金では送金元がETH/POLでガス代を支払い、ガスレス送金では送金元はJPYCだけでGateway側がガス代を負担する比較図

03ウォレットの種類ごとの送金方式

JPYC Gatewayでは、送金時に「送金方式」として「通常送金」か「ガスレス送金」を選びます。選べる送金方式は、送金元ウォレットの種類によって異なります。

マネージドウォレット
ガスレス送金のみ選択できます。通常送金にはガス代用の暗号資産の残高が必要になるため、マネージドウォレットでは選択できません。
Openloop
ガスレス送金を利用できます。
外部ウォレット
通常送金とガスレス送金のどちらかを選択できます。
送金元ウォレットごとの送金方式。マネージドとOpenloopはガスレス送金のみ、外部ウォレットは通常送金とガスレス送金のどちらかを選択できる
送金元ウォレットごとの送金方式。マネージドとOpenloopはガスレス送金のみ、外部ウォレットは通常送金とガスレス送金のどちらかを選択できる

送金画面で送金元に外部ウォレットを選ぶと、「送金方式」に通常送金とガスレス送金の2つが表示されます。

送金元に外部ウォレットを選んだ新規送金画面。送金方式に「通常送金」と「ガスレス送金」の2つが表示されている
送金元に外部ウォレットを選んだ新規送金画面。送金方式に「通常送金」と「ガスレス送金」の2つが表示されている

一方、マネージドウォレットを選ぶと、送金方式はガスレス送金のみになり、「マネージドウォレットはガスレス送金のみ対応します」と表示されます。

送金元にマネージドウォレットを選んだ新規送金画面。送金方式は「ガスレス送金」のみが表示されている
送金元にマネージドウォレットを選んだ新規送金画面。送金方式は「ガスレス送金」のみが表示されている

04ガスレス送金の操作の流れ

ガスレス送金の操作は、通常の送金とほとんど変わりません。送金管理画面の「新規送金」から、次の順に入力します。

  1. STEP 1送金元ウォレットを選択
  2. STEP 2送金先を指定(登録済み送金先/自社ウォレット/直接入力)
  3. STEP 3金額(JPYC)を入力
  4. STEP 4チェーンを選択
  5. STEP 5送金方式で「ガスレス送金」を選択
  6. STEP 6必要に応じて送金識別コードを入力

入力が終わったら、内容を確認して署名し、送金します。署名の方法は送金元ウォレットの種類によって異なります。

マネージドウォレット
Passkeyによる本人認証を行うだけで、署名と送信は自動で行われます。
外部ウォレット
「送金を準備」をクリックし、MetaMaskなどのウォレットアプリを接続して署名します。
Openloop
USBで接続したOpenloopのデバイス本体で署名を承認します。

いずれの方式でも、Gatewayに渡されるのは署名した結果だけで、秘密鍵がGatewayに送信されることはありません。

05送金識別コードで、支払いと請求をつなぐ

ガスレス送金では、「送金識別コード」を設定できます。

送金識別コードは、請求書番号や注文番号など、送金を識別するための任意のコードです(最大100文字)。入力は任意で、送金方式にガスレス送金を選んだ場合のみ入力できます。

設定した送金識別コードは、送金と一緒にブロックチェーン上に記録され、入出金履歴やレポートにも出力されます。入出金履歴や送金管理画面では、送金識別コードで検索することもできます。

例えば、請求書番号を送金識別コードに設定しておけば、「どの請求に対する支払いか」を後から確認しやすくなり、消込作業にも活用できます。

送金識別コードで、支払いと請求をつなぐ。STEP 1 送金時に入力、STEP 2 チェーンに記録、STEP 3 履歴で検索・出力の流れ
送金識別コードで、支払いと請求をつなぐ。STEP 1 送金時に入力、STEP 2 チェーンに記録、STEP 3 履歴で検索・出力の流れ

06送金管理画面で送金方式を確認する

送金管理画面の送金一覧には、送金ごとに「ガス代」の列があり、「通常」か「ガスレス」かが表示されます。あわせて「識別コード」の列には、送金時に設定した送金識別コードが表示されます。

画面上部の「送金方式」で絞り込めば、ガスレス送金だけを一覧で確認できます。「送金識別コード」の欄にコードを入力すれば、該当する送金を検索できます。

送金管理画面の送金一覧。ガス代欄に「ガスレス」と表示され、送金方式や送金識別コードで絞り込み・検索ができる
送金管理画面の送金一覧。ガス代欄に「ガスレス」と表示され、送金方式や送金識別コードで絞り込み・検索ができる

07入出金履歴での表示

入出金履歴の「ガス代」欄は、取引の種類によって次のように表示されます。

通常送金(出金)
実際にかかったガス代(ETHやPOLなどの単位)
ガスレス送金(出金)
「ガスレス」
ガスレス入金機能を経由した入金
「ガスレス」
それ以外の入金
「-」(受け取る側はガス代を負担しないため)

同じ画面の中でも、通常送金の行にはガス代の金額が、ガスレス送金の行には「ガスレス」が表示されるため、どの送金でガス代が発生したかを一目で確認できます。

入出金履歴画面。通常送金の行にはガス代の金額が、ガスレス送金の行には「ガスレス」が表示されている
入出金履歴画面。通常送金の行にはガス代の金額が、ガスレス送金の行には「ガスレス」が表示されている

08料金と、件数の数え方

ガスレス送金の手数料は、1件8円(税別)です。テストネットでの送金は無料です。

請求の件数には、ガスレス送金(自社ウォレットから外部への送金)と、ガスレス入金機能で発行した受取リクエスト経由の入金が合算されます。どちらも同じ単価で計算されます。ガスレス入金機能を使わない直接の送金や、QRコード経由の入金は件数に含まれません。

入出金履歴の「ガス代」欄に「ガスレス」と表示された件数は、請求・利用情報画面のガスレス送金件数と一致します。当月の件数や手数料の見込みは、請求・利用情報画面で確認できます。

09署名の有効期限は5分

ガスレス送金の署名には有効期限があり、署名した時点から5分間です。これは、署名した内容が後から再利用されるリスクを抑えるための仕組みです。

署名から送信までは連続して処理されるため、通常の操作で期限切れになることはありません。

また、署名の対象となるデータは「署名」ボタンをクリックした時点で作られます。送金内容を登録してから署名するまでに時間が空いても、有効期限が古くなることはありません。

10ガス代の管理を、業務から外す

ステーブルコインを法人の支払いに使う場合、送金そのものよりも、ガス代用の暗号資産の購入・保有・残高確認・会計処理といった周辺業務が負担になりがちです。

ガスレス送金を使えば、送金元のウォレットに必要なのはJPYCだけとなり、手数料も1件8円の定額で管理できます。さらに送金識別コードを使えば、支払いと請求の照合までJPYC Gateway上で行えます。

ガス代の管理を業務から外し、JPYCの送金をいつもの支払い業務に近い形で運用できることが、ガスレス送金の特徴です。

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赤松 智彦アステリア株式会社 / ステーブルコイン事業部

システム連携やデータ活用の知見から、企業の「財務DX」や「デジタル通貨のビジネス活用」をテーマに、日本円ステーブルコインの普及に向けた実務ノウハウや最新トレンドなどのお役立ち情報をお届けします。

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